2004年02月24日

速読・速解の技術 やっぱり使える「ポスト・イット」!!

非常に面白い本で、50分ほどで一気に読み通してしまった。

速読・速解の技術―やっぱり使える「ポスト・イット」!!
西村 晃 (著)

この本は、いわゆる「速読」の本ではなく、「読書効率を上げること」に主眼に置いている。ただ速く読むだけでなく、理解し、自分の考えをまとめ、アウトプットを作成するところまでを含めたトータルな意味での効率向上である。

その点で、「速読」「速解」というキーワードに惹かれて買った人は失敗だったと感じるかもしれない。

マーケティング的には、一般的な読者の琴線に触れそうなキーワードを表題として選んだ点に巧さを感じた。著者は、300回以上の講演、テレビ・ラジオの制作・出演、雑誌の連載などが月に10誌以上、5年で単行本60冊以上という経歴の持ち主である。そのあたりは心得た物だろう。

全体としては、自分や周りの人がやっているような事も多く書かれていたが、この人のエライところは、ポストイットというツールをそこに組み込み、体系化し、独自の方法論にまで昇華した点にあるように思う。なるほど、と再認識させられるところも多かった。

例えばポストイットにメモをしながら本を読む人は多いと思うが、重要度に応じて張る位置を変える、その本を読む問題意識をメモして冒頭に張る、等は面白い。

張る位置を変える、という、考えたことをメモするというプロセスからもう一段踏み込みさらに思考を迫る。
本を読む問題意識を冒頭にメモすることで、本を読む目的も明確になり、読中、読後の内省プロセスの精緻さが増す。

これを読んで思ったのは、本を読みながら思考せざるを得ない状況をポストイットを用いて上手く創り出しているということだ。あれだけのアウトプットを出すための秘訣はこれか、と納得させられるものがある。


ところで、この本にはポストイットの活用方法以外に、一般的な読書法としても参考になる点が多くあるように思う。

例えば、キーワードを追っていく読み方がそれである。付随して、キーワードは前半部分に集中している等、確かにそうだと思うところが多い。この人はキーワードの重要性を説いているが、これは多読・乱読の人に多く共通する指向である。カッコでくくったもの、アルファベット、略語などをキーワード例として挙げていたが、私の友人はキーワードをカタカナで記述する癖があった。こういう著者の癖を見抜けば、さらに速くキーワードが抽出出来るようになるだろう。

私は、本によっては目次と序章、終章だけ読んで終わりという読み方をすることがある。目次で全体像をフレームワークとして理解し、序章・終章のキーワードをそれに当てはめていくような読み方だ。というのも、実は意外と多くの本がこれで理解出来る。著者の言う通り「結論は冒頭で述べることが多い」からだろう。もちろん、この読み方で本を完璧に理解したとは思わないが、それでも7~8割は理解していると思う。私の読書目的としては、これで十分である。

また、オリジナル情報をつくる黄金プロセスとして、こうしてインプットした情報を並び替え、他の情報をまぜてシャッフルする(我々仕事仲間の間では「ガラガラポン」と呼んでいるが)ことを紹介している。指摘の通り、これはまさに黄金プロセス(王道)だろう。このプロセスの作業を支援するツールとして、張る・剥がすといったハンドリングが容易なポストイットは非常に優れているという主張には強く同意するところだ。

全体的な意味で「読書効率を上げたい」と思っているビジネスマンにオススメの書籍である。

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投稿者 thinkperson : 2004年02月24日 21:02 | 世界を広げる:トラックバック(1)


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