広告屋らしさを随所に(良くも悪くも)感じさせるけど、なかなか実用的な本。
考具―考えるための道具、持っていますか?
加藤 昌治 (著)

考えるといっても闇雲に考えるのではなく、ノウハウやツールを使うことでそれが比較的楽に、システマチックに出来るようになるという主張の元、既存の考えるためのツールを「考具」と名付け、著者の視点で役立つと思ったものを紹介している。
本書では、以下3つのカテゴリに分けてツールが紹介されている。
(1)情報を吸収するための考具
(2)集めた情報を展開するための考具
(3)展開した情報を収束させるための考具
取りあげているツールの数が多いため一つ一つの解説はそれほど詳しくはないが、内容としてはこれで十分だろう。例えばフォトリーディングは独立した書籍があるが、本書でもエッセンスは網羅されている。ここにある情報でも足りないと感じたなら、googleで検索する、他書を当たるなどすれば良い。
そういう意味では、アイデアに関するツールの美味しいところ取りの出来る、即効性の高い実用的な本とも言える。
詳細なツールについてはここでは詳説しないが、個人的にはカラーバス、マンダラートは使えると思った。特に前者は応用範囲が広く、バリエーションも相当考えられそうだ。
ところで、ツールを紹介することが本書の主眼であると考えられるが、それに付随して随所にちりばめられているメッセージ(これがありふれたメッセージなのだけど)が良いと思った。幾つか挙げてみると、
他者の言葉も含まれているが、その引用にも著者の想いを感じることが出来る。そうそう、と共感しつつ読んだ。
さて、読後に考えたこと。
昔先輩に教えられた、お客さんに持って行くTodoリストの作り方を思い出した。
項目を箇条書きにすることはもちろん、項目の頭はドットではなく、チェックを入れたくなるような四角(□)にすると良い、というものだ(下図)。子供だましのように思われるかもしれないが、お客さんの所にこの形式でもっていくと、チェックして下さいねとは言わずともきっちりチェックして使ってくれている。案外馬鹿には出来ない。

思わずチェックしてしまう□の魔力
どうやら、考具とは、本質的には人の認知的枠組みに対して強制的に変革を迫るツールらしい。ある決まった枠組み、スキーマを人は持ち、それに如何に依拠して生きているかに気づかされる。
著者は最後に「本当の考具の達人は手ぶらなのかもしれない」という言葉で締めくくっているが、最も原始的、かつ、重要な考具は、まず上記のことに気づき、実感することかもしれない。
--- 追記 ---
考具の公式ウェブサイトはこちら。
http://www.coquets.net/kogu/
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投稿者 thinkperson : 2004年03月16日 11:27 | 世界を広げる:トラックバック(4)