2004年03月29日

ロジカル・プレゼンテーション

ロジカル・プレゼンテーション―自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」
高田 貴久 (著)

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一見するとよくあるプレゼン系の本に見えるが、それらとは全く別物である。極めて実践的な深みある本。

ロジカルという言葉からも想像されるように、論理思考系の内容も多く含まれている。しかし、よくある論理思考系の本と違うのは、そういった思考能力もそれ自体が目的ではなく、最終的には誰かに「提案」するのだという前提に立ち、ビジネスマンが付加価値の高い仕事をするために必要ないくつかの能力を「提案」という切り口で整理した点にある。

ここで言うビジネスマンが価値の高い仕事をするために必要な能力とは


  • 論理思考力

  • 仮説検証力

  • 会議設計力

  • 資料作成力


を指す。前者2つは「考える能力」、後者2つは「伝える能力」であり、「提案」はこれら能力によって生み出されるものである。故に、どちらかに偏ることなくバランスよく両者を身につける必要があるという主張の元、これら能力について深く、切れ味の鋭い考察が展開される。

特段厚みある書籍ではないと思うが、中身は非常に濃い。

会議設計の章も捨てがたいが、私がこの本で一番おもしろいと感じたのは「仮説検証力」の部分である。著者によると、仮説検証は次の5つのステップで行う。


  1. 目的の理解

  2. 論点の把握

  3. 仮説の構築

  4. 検証の実施

  5. 示唆の抽出


仕事を通して様々な方々とお会いしてきたが、比較的ロジカルに物事を考えることが出来る人でも、(3)の仮説構築、(4)の検証のステップで悩む人が多いような印象を持っている。

どうも、論理思考は出来るが仮説検証が苦手だという人は、仮説の元になる情報のインプットが足りない場合が多いようだ。著者は「仮説」を「論点に対するヤマカンの答え」であると言い切っているが、それはもちろん本当のヤマカンではなく、情報収集の結果に裏打ちされたヤマカンであり、確度の高いヤマカンなのである。ちなみに「論点」とは「検討することによって、より良い意志判断が出来る項目」であり、「議論のポイント」である。

仮説検証のプロセスで陥りやすいこういった罠もふまえ、著者の主張が展開される。

仮説検証プロセスにここまで踏み込んだものはそれほど多くない。本書はその悩みに一つの答えを出してくれる。最近読んだ思考系の本の中では一番面白かった。長く使える本であり、ある種名著だとも思う。

優秀な人というのは、ある具体から抽象化、汎用化し、さらに別の具体を生み出す能力に長けた人が多い。本書はまさにその好例であり、その意味でも学ぶべき点は多い。

ちなみにこの著者は1973年生まれ。私よりも少し年上の方であるが、失礼ながら自分のベンチマークとして見たときの好目標になる。頑張ろう。

◆参考情報
著者高田氏のWebサイト:外資コンサル.com

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投稿者 thinkperson : 2004年03月29日 10:30 | 世界を広げる:トラックバック(0)


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