2004年03月31日

仮説のない報告書

学生時代、家電量販店でメーカー製パソコンを売ったり、プロバイダ加入を勧めたりするバイト(派遣)をしていました。主に土日祝日です。当然、販売報告書があるのですが、不思議とどこのメーカーも項目が殆ど同じでした。聞くところによると今も一緒らしいです。

◆報告書のための報告書
この手の定期的な作業は、時間と共に目的意識が薄れルーチンワーク化しがちですが、この報告書も例に漏れず。本来はそこから得られた情報を元に、何かのアクションにつながる意志決定を行うことが目的だったはずです。毎週販売台数が増えた・減ったに一喜一憂して「へぇー」では意味がありません。

とは言っても、闇雲に情報を集めるのでは今と変わらないので×です。アクションの「仮説」を立てて、それを検証するための情報に的を絞って集める必要があります。集める目的を明確にせず幅広く情報を集めても、幅広く薄い答えが出るだけで、既知以上のものが出ることは殆どないでしょう。また仮説を持たずにデータを眺めても何も見えてきません。仮説の有無で「気づき」の量も質も違ってくるように思います。

アクションの仮説と言っても難しいものではなく、基本的に「商品を売る」という目標があって、その上で営業担当の方が「ここが良くない」「こうすれば売れるかな」といった漠然とでも感じている事柄にヒントがあるのではないでしょうか。店頭商品の陳列状況改善でも、派遣社員の商品販売トークの改善でも、他社プロモーション動向の把握、でも良いのです。逆に言えば、普段何も感じることがないという人から仮説は生まれないでしょう。

◆仮説のある報告書
そこで、目的を忘れて迷走しないように、また、より実効性を高めるために作業や報告書のタイトルに「検証したいアクションの仮説を埋め込んでしまう」という手があります。ちょっとした認知的負荷をかける仕組みを組み込むということですね。

この例で言えば「店頭プロモーション方法の改善に資する売上報告書」のようにしてしまうのです。このタイトルを見れば、他社商品の販売価格だけ追いかけても意味がないことや、自社のプロモーション方法や販売台数だけを見ていても始まらないことも見えてきます。最終的には「改善に資」すためのものであることも分かります。

このタイトルも当然固定にするのではなく、2週間、1ヶ月、3ヶ月等の期間を区切って定期的に変えていく枠組みにするのが良いでしょう。そもそも、うまく一つの仮説が検証できれば次に検証すべき事柄も見えてくるはずはずです。こうなればしめたものでしょう。

と、長々と書いてみましたが、これらは本来既にやっているべき真っ当なことのはず。でも、出来ているメーカーがどれだけあるのか・・・? みんな横並びでやっているからこそ、ちょっと違うことをすれば十二分にオイシイ思いが出来るはずなのです。その事に「気づく」だけで一歩優位に立つことが出来るかもしれないのですが、「気づく」というのは本当に難しいことですね。

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投稿者 thinkperson : 2004年03月31日 10:07 | 世界を広げる:トラックバック(0)
カテゴリー: コラム



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