もっと早く、もっと楽しく、仕事の成果をあげる法
古谷 昇 (著)

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著者は、まわりの人から仕事を「楽して」やっていると見られているという。それは大筋で認めつつも、本人は相応に苦労していると考えているので、それなりに何かノウハウがあるはず。ということで、それをまとめたのが本書。
はっきり言って、非常に筆が軽い本である。その点は前書きにも出てくるが、その分気楽に一気に読めた。本書は「ノウハウ」についてまとめたものだということだが、著者は後書きで
「戦略本は私の古巣であるBCGをはじめ、あらゆるコンサルティング会社から出ているが、改めて自分が持っている能力は何に拠るのかと考えてみると、そのようなものとは次元の違うところにあると気がつくことになった。それがコツなのだと思う。」
と書いている。思うに、ノウハウというよりは、この本は著者の成果を上げてきた「コツ」について述べられている(と言うか限りなく「放談」に近い(笑))と言う方が正しい。
で、中身については、結論から言えば、この本には書いてあることをそのまま真似て仕事で成果が上がるようなものはあまりないように思う。
読後考えたのは、この本から読み取るべきは、仕事が出来るようになるための「表層的なテクニック」ではなく、仕事が出来るようになるための「視点」ではないかということ。その「視点」とは、メタレベルでの方法論としての、「何事も全体を俯瞰した上で、本質を突くこと」である。
なので、出版社のマーケティング的観点は抜きにして私がこの本にタイトルを付けるとすれば、
「もっと早く、もっと楽しく、仕事の成果を上げる(ための)視点」
となるだろうか。
「コツが分かる」というのは、要するに「物事の本質を理解すること」だと思う。例えば、小学校の時に練習したであろう懸垂。なかなか出来ないものだが、偶然でも一度出来ると、その後は何度でも出来るようになったりする。こういう瞬間はスポーツに限らずドラムにもあるし、仕事の世界にも沢山ある。出来るようになった要因を具体的に「何」と答えるのは難しいけど、その「何か」こそが「コツ」であり、懸垂が出来るようになるための「本質」なのだと思う。
著者は本質を捉えるのが周囲の人間よりも明らかに早いので、さも仕事を「楽」してやっているかのように見られるということだろう。著者が本質を見抜く能力に如何に長けているかがよく分かる。
ところで、著者は「コツで覚えると3倍早く成長する」と言っているが、「コツ」とはそもそも覚えるものではなく、ニュアンスとしては「感じる」に近いような気がする。この本は書いてあることを覚える、理解するのではなく、本を読んで「コツ」を感じるのが正しい読み方ではないかと思った。恐らくこの文面だけで「コツ」を感じるのは難しいと思うので、是非原著にあたることをオススメします。
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投稿者 thinkperson : 2004年04月12日 08:01 | 世界を広げる:トラックバック(0)