主張はシンプルだけど、深い一冊。
鉄則!企画書は「1枚」にまとめよ
パトリック・G. ライリー (著), Patrick G. Riley (原著), 池村 千秋 (翻訳)

会社で企画書を作る時、担当者用と役員クラス用の二種類を用意することがよくあります。担当者向けには、なぜやるのかから始まって、何をやるのか、スケジュールは、体勢は…と、すべて必要な事項を盛り込みます。一方、役員クラスになるとそんな重厚長大な資料を見ている時間は無いので、1枚に要約したエグゼクティブサマリを作成します(A3サイズ1枚が多い)。
最近読んだ何かの本にも、「社長を説得するにはエレベータで下まで降りる間の時間にすべてを伝えなければならなかった」という趣旨の経験談がありました。やはり、役員クラスとは重厚長大なプレゼンを見る時間は無いものなのでしょう(逆に言えば、余裕で見る時間がある役員ってどうよ?)。
本文中に「企画書1ページというのは普通の人なら3,4分もあれば読める」というくだりがありますが、このエレベータの事例で言いえば、待ち時間を入れても2~3分の世界。エグゼクティブを説得するための時間的クリティカルマスは「3分」前後にあるということでしょうか。
本書では、そんな多忙な人達に特に有効な1枚企画書の具体的な作成ノウハウが紹介されています。
◆説得のための8要素
著者によると、1枚企画書に必要な要素とは以下の8つです。各項目を完結に記述し、この項目全てを1枚に盛り込みます。これは1枚企画書でなくとも、(すべての企画書で使えるとは思えませんが)基本的な企画書のフレームワークとして使えるものもあると思いました。
<説得のための8要素>
1. タイトル
2. サブタイトル
3. 目的
4. サブ目的
5. 理由
6. 予算
7. 現状
8. 要望
本来は数枚、数十枚に及ぶ企画書を1枚に収めるということは、その企画の本質だけを書くということだと思います。1枚の企画書が書けないということは、その企画自体がまだ人を説得させるだけのものになっていない、煮詰まっていないということではないでしょうか。
◆「文章」形式で書く
個人的に重要だと思った点は、1枚でありつつも、「文章」で記述されている点。
1枚というのは絶対的に書ける量が少ないので、キーワードの羅列、箇条書きの連発になりがちだと思うのですが、キーワードや箇条書きでは、コンセプトを細密化させるという点で弱いと私は考えています。キーワードや箇条書きの怖い点は、分かった気にさせてしまう、雰囲気で理解した気になってしまうことではないでしょうか。これは作り手にも、読み手にも言えることだと思います。
本書には著者が実際に使ったという企画書が、一部黒塗りですが、そのまま公開されており、生々しさの伝わる文章が参考になります。
◆誰でもこの企画書でOKか?
で、この形式の企画書、誰に対してもOKかと言われると、そうでもない気がします。
現場の担当者はもっと細かいWhat,Howの部分が知りたいでしょう。現場の担当者に良いと思ってもらえなければ、その企画は最終意志決定者にまで上がっていかないかもしれません。それじゃ元も子もありませんね。まずは、自分は誰に対して、どのような目的で見てもらう企画書を作っているのか?を考える必要がありそうです。
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